2015年11月06日

投資で一番大切な20の教え後編

投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識 ハワード・マークス を読みました。
   
この本を読んで、私はリスクを取り過ぎだな〜と実感したので、自分自身を戒める意味も含めてまとめてみました。まとめの後編です。
 投資で一番大切な20の教え まとめ前編

5.リスクを理解する
6.リスクを認識する
7.リスクをコントロールする

投資は未来を予想して何らかの行動を起こすことだが、未来のことが確実に分かる人はいないので、リスクは避けられない。なのでリスクを理解し対処することが重要になる。リスクに対処するには、リスクを理解し、リスクが高まった時にそれをしっかりと認識し、コントロールする必要がある。
投資に際しての基本ですが、投資をする前にそのリスクがどのようなもので、どの位の大きさなのか、自分がそのリスクを許容できるのか考えないといけません。次に、それだけのリスクを取るのに見合ったリターンが望めるのか考える必要があります。
少し難しくなりますが、リスク調整後のリターンで比較することが大事です。
一般的にはリターンばかりに目がいって、許容範囲を超えたリスクを取ってしまいがちです。
リスクというものは分かりにくいものなので、便宜的に数値化しやすいボラティリティが使われているが、投資家からするとリスクとは損する可能性です。他にも目標を達成できないことや、期限までに現金化できないことなども、人によってはリスクになる。
ハイリスク・ハイリターンと言われるが、損するリスクが高まるのは、投資に楽観的になり過ぎて本質的価値を大きく上回る価格で買った時であり、結果的にはハイリスク・ローリターンになる可能性が高い。
逆に皆が投げ売りするような先行きが真っ暗な時期に、本質的価値を大幅に下回る価格で買えば、ローリスク・ハイリターンにもなり得る。
これがバリュー投資の考え方で、下がる可能性よりも上がる可能性の方が大きくなる。
リスクを理解するには、未来に起こる様々なケースを予想し、その投資がどのような影響を受けるのか考える必要がある。外部環境の変化などが本質的価値にどのような影響を与えるのか?逆に言えば本質的価値の安定性と信頼性がどの程度あるのかが重要であり、それと価格を比較することでどの程度のリスクがありそうなのか判断することになる。
市場が活況を呈し、リスクが小さくなったとか、リスクはなくなった!、持たざるリスクなんて言葉が飛び交いだしたら、リスクが高まってきていると認識する必要がある。
現状のように世界中で緩和政策が取られ資金がだぶついている時は、リスクオンで資産価格が高騰していき、結果として期待リターンが低くなる。どこまでも上げ続ける相場はないので、価格が高くなればなるほど儲かる可能性は低くなっていくが、周りもバブル相場に浮かれているのでそこから降りるのは難しい。
歴史的にPER水準の幅というものはあるので、この水準を大きく上回って推移しているのはリスクが高まっていると考える必要があるし、大きく下回っていればリスクは小さくなっていると考えられる。もちろん利益水準が今後どうなっていく可能性が高いのか?については十分に検討する必要がある。

キャリア全体を通してみた場合、ほとんどの投資家の成否は、利益をあげた投資の素晴らしさよりも、損を出した投資の数とその損失の規模で決まる。
巧みなリスクコントロールこそが、優れた投資家の印なのだ

という一節は耳が痛いですね(笑)
それにしてもリスクについて理解することはなかなか難しいですね^_^;

8.サイクルに注意を向ける
9.振り子を意識する
15.今どこにいるのかを感じとる

ほとんどの物事にはサイクルがある。利益や損失を生み出す大きな機会は、多くの人がサイクルがあることを忘れた時に生じる。
リーマンショックのような暴落が起こると、世界は終わったみたいな感じになってしまうが、底まで達すれば自然と反転することになる。感情に従って投資をしていると、恐怖や強欲に支配されてサイクルがあることを忘れてしまう。金融技術の発展や技術革新でサイクルは無くなった、永遠に成長が続くなどと言われたら、危険な兆候ですね(笑)

そして振り子を意識することはとても重要だと思います。
投資の世界でも市場価格や雰囲気は、過大評価と過小評価の間を、陶酔感と絶望感の間を、強欲と恐怖の間を揺れ動き続けています。一端に近付けば遅かれ早かれ中心点に向かって反転することになる。
強欲が優勢になると投資家はリスクを取るのに積極的になり、徐々にリスクを軽視するようになる。逆に恐怖が蔓延するとリスク回避志向が強まる。投資家がリスクを軽視している時は相場が過熱して割高な水準になっていることが多く、実際はリスクが高く期待できるリターンが低くなっていることが多い。
投資家がリスクが大きいと感じて極度にリスクを回避している時は、投げ売り状態になっていることが多く、リスクの大きさに比べてより大きなリターンが得られる可能性がある。

振り子が反転するきっかけは、先見の明のある一握りの人が、今後状況が良くなると考え始めることで、次第に多くの投資家が、実際に状況が良くなっていることに気付くことで、動きが加速し、最後にすべての人が状況が永遠に良くなり続けると思いこむことで、ピークに達する。
それ以上は新たに買う人が現れないので、自らの重さに耐えられなくなり振り子は反転する。
市場が投資家心理に支配されている以上、強気相場と弱気相場の振り子を繰り返すことになるので、振り子に翻弄されるより、動きを利用した方が良い。現状が振り子のどの辺りに位置するのか、常に振り子を意識した方が良い。
ただ、振り子がどこで反転するのか?何が原因で反転するのか?いつ反転するのか?その動きはどれくらい続くのか?は誰にも分からない。バブルの様に過熱が長く続くこともあれば、過熱する前に反転してしまうこともある。しかしながら行き過ぎた相場の動きはいつか反転するので、冷静に振り子の動きを観察する必要がある。
振り子が振り切れる時に備えて警戒を怠らない、振り子の位置に応じてポートフォリオを調整する、サイクルの頂点と谷底で群集心理に巻き込まれないことが重要になる。

10.心理的要因の悪影響をかわす
11.逆張りをする

投資家は、強欲や恐怖、群集心理への迎合(多数派への同調)、嫉妬、うぬぼれ、などの心理的な影響を大きく受けて、合理的な判断が下せなくなる。悪影響を受けない様にするためには、
(1)本質的価値を強く意識する
(2)価格が本質的価値から乖離した場合に取るべき行動にこだわる(逆張りを行う)
(3)過去の相場サイクルに関する知識を深めて、振り子を意識する
(4)バブルや暴落など市場が極端な状況にある時ほど心理的悪影響を受けやすいことを理解する
逆張りと言ってもあまのじゃくであればよいのではなく、なぜ群衆が間違っているのか理解したうえで逆張りの行動をとる必要がある。逆張りのポートフォリオは皆と異なるので、居心地が悪く感じるがそれを受け売れる必要がある。それだけの精神的な強さも求められる。
人気化して皆のお気に入りになっているものはすでに割高になっている。
逆張り投資をするためには、みんなの言動を懐疑的な目で見ることが必要。

12.掘り出し物を見つける
13.我慢強くチャンスを待つ

最良の機会は、たいてい周りのほとんどの人が気付いていないものの中から見つかる。
掘り出し物はいつでも出てくるものではないので、我慢強く待つことも大事。
バフェットが言っているように、チャンスを見逃しても見逃し三振でアウトになることはないので、絶好のチャンスが訪れるまで待てばいい。

14.無知を知る
個人投資家でも十分に調査分析することで、個別の企業について他の人より理解することは可能だが、市場全体や経済について先行きを予測することはほとんど無理。無理なことに無駄な努力をするより、努力次第で差を付けられる部分に取り組んだ方が良い。

16.運の影響力を認識する
17.ディフェンシブに投資する
18.落とし穴を避ける

決断が正しかったかどうかを結果から判断することはできない、これは堪えましたね。
たまたまうまく行っただけで、他の可能性もたくさんあった、ということを、「まぐれ」ナシーム・ニコラス・タレブ著を使って、「記録に残っている歴史」と、同じような確率で起きる可能性のあった「違った歴史」という言葉で説明しています。
私は集中投資をして今のところうまく行っていますが、これは運が良かっただけで、もし「違った歴史」が起きていたらうまく行っていなかったかもしれないわけです。
実際に起きたことは、多数の起こる可能性のあったことの中の一つにすぎない、という考え方は新鮮です。
運の影響力を小さくするには、起こりそうな複数のシナリオを検討し、実現可能性の高そうな複数のシナリオで高リターンが期待でき、それ以外のシナリオでも悲惨な結果にはつながらないようなポートフォリオを組む必要があるわけですが、そうなると必然的に分散投資になってしまいますね。あとは本質的価値よりも安い価格で投資していれば安全域が大きいので、悲惨な結果にはつながりにくくなります。
ディフェンシブに投資することも大事になり、相場が良い時には市場平均並みのリターンで満足し、相場が悪い時にこそ市場平均を上回るような運用を目指す必要があると述べられています。
それが著者の考える 19.付加価値を生み出す ということの様です。
集中投資とレバレッジはリスクを高めるので厳禁のようです。
損失を回避することが自ずと全体の収益率を高める、という著者の考え方も、頭の片隅に覚えておこうと思います。ホームランを飛ばすより、ディフェンシブに投資して落とし穴を避けることが大事です。

相場環境が良い時は誰でも簡単に儲けられますし、それを自分の実力だと勘違いしがちです。
相場環境が厳しい時こそ本当の実力が試されるので、うまく行っている時こそ謙虚にこういった本を読み返して、自分自身を振り返ることが大事だと実感しました。
環境が良い時にはしっかり資産を増やし、悪い時にもできるだけ減らさない、というのが理想なんですが(笑)
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儲かる会社、つぶれる会社の法則2

カリスマファンドマネジャー藤野英人さんの本
5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則
の感想文の続編です。シリーズ第1弾はこちら↓
 儲かる会社、つぶれる会社の法則 感想文

法則6 過去の苦労話ばかりが多い社長の会社は成長が止まる
経営者のヒストリーは会社を見るうえでとても重要な情報だ!というのはその通りですし、会社の沿革も同じように大事だと思います。
過去の苦労話ばかり話す社長も困りますが、やはり苦労を乗り越えてきた社長の方が逆境にも強そうで、経営者としては安心感があります
本書では一例としてGMOインターネットの熊谷正寿社長の話が出ていますが、私も熊谷正寿社長は素晴らしい経営者だなと思います。しかし実際に拝見するまではインターQのイメージが強くて、怪しげな人なんじゃないか?と思ってました。すみません。
GMOは子会社群も素晴らしい会社が多いので、熊谷社長は人や会社を見る目もありますよね。

法則7 社長のコンプレックスは株価上昇の原動力になることが多い
ただコンプレックスが原動力になっている場合、上場実現などでコンプレックスが解消されると、モチベーションが下がってしまうケースもあるので注意が必要です。
この法則を読んで思い浮かんだのはオウケイウェイヴ(3808)の兼元謙任社長です。
この会社も名証セントレックス市場に上場した会社ですが、業績・株価ともに低迷し、セントレックス市場から抜け出せない感じです。兼元謙任社長もベンチャーチャンネルにインタビュー音声が残ってます。
 オウケイウェイヴ 兼元謙任社長インタビュー音声
会社説明会や株主総会にも行きましたが、熱意はあるのになかなか業績に結び付かないですよねぇ^_^;
オウケイウェイヴ
ある程度まではコンプレックスを燃料にして突き進むことができますが、周りを巻き込んでいくということを考えると、どこかのタイミングで社員も共感できるようなものに転換していく必要があると思います。
社長の個人的なコンプレックスより、業界を変える!とか日本を変える!というようなビジョンを掲げて、周りに浸透させた方が成長が続く感じがします。

法則10 質問すると怒り出す社長の会社は、経営状態が悪化している
経営状態が悪化しているかどうかは別として、質問に対して怒り出すような人が社長では、心配でとても投資する気になりません。怒るということは冷静に対処できないわけで、そんな人が社長だと不祥事が多発しそうです。社長の逆鱗に触れないように良いことしか報告しない、悪い情報は隠ぺいや先延ばしするという、どこかで聞いたような社風になってしまいそうです。

法則11 社長みずからが情報公開する会社は買い
この法則は甘いと思います。社長が会社説明会などに登場しない会社は投資対象外だと思います。
そんな会社がIR活動に力を入れ出したらチャンスなんですが\(^o^)/
会社説明会や決算説明会などは年に数回しかないんですから、社長みずから語って欲しいですね。とはいえ、IR説明会自体開催しない会社も多いんですから、社長みずからIRする会社は買いなのかもしれません。
プレゼンの上手い下手は問題ではないというのはその通りだと思います。
VTホールディングスの高橋社長も個人投資家向け会社説明会を始めた頃は、淡々と話している感じでしたが、人柄などはよく伝わってきました。上手い下手ではなく、社長自ら進んで行うことが大事だと思います。
数年前のDeNAの株主総会では株主から、守安功社長が決算説明会を行うたびに株価が下がる、動画を見てもプレゼンが下手で株を買う気がなくなる、プレゼンくらい練習すればうまくなるんだから改善してほしいと怒られていたということを思い出しました(笑)

法則15 社長の自伝を本人がプレゼントしてきたら、その会社は伸びない
解説の中にもありますが、人生も終盤に近付き、みずからの成果を自慢するために自伝を書いて配るような人が、社長に居座り続ける会社は成長しない、というより危ないと思います。
一方で、ティアの冨安社長のように多くの本を出している経営者もいます。会社としての全国的な知名度が低かったティアの場合、なぜティアという会社を作ったのか、どんな理念で経営を行っているのかなどを多くの人に知ってもらうために、本を出して株主などに配ることはPR戦略として有効だと思います。
そういった活動がカンブリア宮殿への出演などにもつながっているわけですし、自伝を出す目的が大事だと思います。
現役社長の銅像が置いてある会社なんて問題外だと思いますが、立体映像が普及したら、受付横で社長の3D映像が出迎えるような会社も出てきそうですね!そうなるとまた新たな法則が生まれるのか!?(笑)

法則16 豪奢な新社屋に入居した会社は、その時点が業績や株価のピーク
これはもはや定説ですね!あのユニクロでさえこの定説からは逃れられませんでした。
最近では下方修正を発表したダイコク電機も名駅前に自社ビルを建てていますよね。
以前、燦ホールディングスが立派な東京本社に移転しましたが、移転理由を社長に聞いたら、立派なオフィスでないといい人材が集まらないと言っていたのを思い出しました。ここも業績は低迷していました。
立派なオフィスで働くのが目的の人は、近くにもっと立派な最新オフィスビルができたら、転職してしまうんじゃないでしょうか?立派なオフィスが目的ではなく、その会社の理念や社長の考え方に共感して人財が集まってくるような会社に投資したいですね。
単に会社の見栄えが良くなったから新卒採用の応募が急増しても、応募者の質が低下してしまえば採用コストや手間が増えるだけでメリットはない、という指摘は鋭いですね。
そう言えば、後ほどの法則にも登場するアイスタイル(3660)も2013年8月に本社を移転していました。
旧本社を見に行くと確かに古いビルでしたが、立派なアーク森ビル34階に移転しました。
アイスタイル
見事なまでに2013年の業績がピークになっています。
アイスタイルのビジネスモデルは、化粧品のクチコミサイト運営で圧倒的に強いと思うのに、なぜか余計なことをして業績を低迷させる会社です。株主総会にも行きましたが、質疑応答もかみ合わず、大事なところははぐらかされた印象で、この会社はダメだな〜と感じました。
アイスタイル
株価も低迷していたのに毎年のように経営陣にストックオプションを発行していて、株価が下がれば下がるほど安い株価で自社株を買う権利を得られるので、わざと業績を悪化させているじゃないのか!?と感じるほどでした。なので100株以上買う気にならず最低単元しか保有していませんでしたが、今年になってからはずっと上昇基調でした。
オンリーワンの位置を占めているんですから業績が伸びて当たり前で、3年近くも株価が低迷する方が不思議です。決算発表を受けて急騰していたので、さすがに割高すぎると判断し、今日売却しました。

それにしても売るのは下手くそです。前場は高かったのでストップ高まで行くか!と期待し指値していたがそこまでは行かず、売値を少しずつ下げるものの株価も逃げるように下がっていって(笑)結局今日の安値近辺での売りになってしまいました^_^;
売る!と決めたらスパッと売ることが大事ですね。少しでも高く売ろうなんて考えが墓穴を掘りました。
このシリーズはもう少し続けていこうと思っています。
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posted by アイル at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする