2015年11月09日

株式の相続税評価が3割引き?

財務省のホームページで、各省庁から提出された平成28年度税制改正要望が公開されています。
その中の金融庁からの要望書の11番目に上場株式等の相続税評価の見直しが要望されています
 平成28年度税制改正要望(金融庁)

上場株式の相続時の評価額が7割くらいに見直すことを想定して要望しているようです。
数値目標は入っていませんが、今より3割引きになったらお得ですよね!
ツイッターを見ていたらパリテキサスさんが「株の相続時7かけ制度ってめちゃくちゃ大きな話なんじゃないの」と呟いていて、そんなのがあるのか!?とネットを調べてみましたが見当たらず、半信半疑でいたらLINEを通じて金融庁が要望しているということが分かりました。
まだ要望段階ですが、現状上場株式は相続時点の時価で評価され価格変動リスクのない現預金と同じ扱いなので、見直されるとインパクトは大きいと思います。
不動産は多くの優遇措置や裏技があるので、時価と比べて評価額を大幅に下げることができます。最近話題になっているのはタワーマンションの上層階を利用した節税策ですし、大東建託などは昔から相続税対策を謳って土地オーナーに賃貸アパート経営を薦めてきました
タワーマンションの節税策については国税庁が見直し方向で動き始めているなど、過度な節税策は見直しの方向ですが、不動産は相続財産として優遇されています。

相続を意識し始めると、優遇措置を利用するために株式を売却して不動産に移し替えたり、あるいは相続しやすいように株式を売却して現預金に変えたりという動きも出てくると思われます。そこまで相続対策をしなかったとしても、相続税を支払ったり財産分与をするために、相続した株式を処分することも考えられます。
今後相続はますます増加していきますし、相続税見直しで課税対象になる人も増えていくので、上場株式等の相続税評価が7割程度に見直されると、株式市場に対するインパクトは大きいと思います。

日本でも貯蓄から投資へ!というスローガンで、個人の金融資産を投資に導こうとしていますが、今までは目立った成果は上げられていません。しかし相続税評価額が下げられるとなると、貯蓄から投資への流れは加速しそうです。
個人の金融資産は預貯金に偏っていますが、保有しているのは高齢者が中心です。
日本政府や日銀が適度なインフレに導こうとしており、預貯金では実質価値が目減りする可能性が高いなかで、株式や不動産はインフレに強い資産と言われています。
株式投資には価格変動リスクがあるので預貯金が一番と思っていた高齢者の方々も、上場株式にしたら相続税評価額を下げることができる、インフレにも対応できるとなれば、個人金融資産の大移動が起こる可能性もあります。
高齢者に取っては配当利回りの高い日本郵政グループの株式などは良い受け皿になりそうですね。
定期預金代わりとして人気の高かった電力株が東日本大震災で大幅安、無配転落となり、やっぱり株式投資は怖い!となってしまいましたが、相続税評価見直しやインフレヘッジで株式投資の評価が高まれば、安定高配当銘柄の人気が再燃しそうです。
日本郵政グループなど民営化株の受け皿という面もアピールしながら要望していけば、将来的には見直しとなる可能性もあるのかなと思います。希望的観測ですが(笑)

個人の金融資産が預貯金に滞留しているよりは、株式市場に回った方が日本経済にとってプラスになるはずです。
貯蓄から投資への流れが加速して株価が上昇していけば、年金や保険などの運用にとってもプラスになりますし、所得税の増収にもつながります。預貯金やタンス預金として死蔵されていても価値を生みませんし、資産も増えませんが、株式投資に流れてきて株価が継続的に上昇していけば、資産が増えるので相続税評価額を7割にしたとしても、現金のままと比べれば相続税額も多くなると思います。
相続税が増えても税引き後の資産が増加するのであれば納税する人も喜ぶでしょうし、税収が増える国税庁や日本政府も喜ぶでしょうし、多くの人にメリットのある政策になると思います。
上場株式等の相続税評価の見直しについては、ぜひとも実現してほしいですね。

上場株式等の相続税評価の見直しは今年度初めて要望したようですが、メリットの多い政策だと思うので、アベノミクス第2弾に組み入れて強力に推進してほしいものです。
日本人は株式投資についてネガティブなイメージを持っている人が多いようですが、多くの人が株式投資に参加して株価が上がれば、良いことがたくさん起きると思います。
株価上昇→経済成長→企業業績アップ→賃金アップ→消費増加→GDP600兆円
年金問題、健康保険問題も改善などメリットが大きい
ので、再度経済政策にも力を入れて、目玉政策の1つになることを期待しています!
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posted by アイル at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資姿勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

儲かる会社、つぶれる会社の法則3

カリスマファンドマネジャー藤野英人さんの本
5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則
の感想文の第3弾です。
   
昨日はひふみ投信の運用報告会に参加し藤野さんの話を聞いてきましたが、毎回興味深い話をしてくれるので、とても勉強になります。運用報告会の感想などは別途まとめてみたいと思っています。

法則19 社長室が過度に豪華だったり、ゴルフのトロフィーがある会社はダメ
その通りですよね。動物の剥製なんて置いてあったら引きますね^_^;
上場企業の社長室に入ったことはたぶん2回ですが、どちらも豪華ではなかったと思います。ただ投資先として良かったかどうかは、今のところ半々です。この法則だけで判断せず、他の法則も含めて総合的に判断しましょう!ということですね(笑)

法則20 ブラック企業の見極め方の一つは生え抜き幹部の有無
ブラック企業かどうかは別として、私は経営陣を安易に外部から登用するのは反対です。
外部から経営陣が来るとその度に経営方針が変わったりして経営が混乱する恐れもありますし、そもそも社員から経営陣を育てられない様ではダメだと思います。どれだけ頑張っても役員は外部から登用されるのであれば、優秀な社員ほど辞めてしまうと思います。
ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則 にも、偉大な会社に飛躍する企業の経営者は、内部からの昇格が多いという結果が出ていました。
 ビジョナリーカンパニー2飛躍の法則 感想文
会社の理念をしっかりと理解している人が、経営を引き継いでいくことも大事だと思います。
外部から役員を登用しないと衰退してしまうような会社は、そもそも投資対象としてふさわしいのか疑問ですね。

法則28 社員に体操を強制する会社は、なぜか儲からない
私が以前勤めていた会社では、工場だけではなく本社や支店でも始業前にほぼ強制でラジオ体操をしていました。支店だと通路も狭いので、全員がラジオ体操をするにはそもそも無理があるのに、なぜ体操するんだろうと疑問に感じていました。退職して10年以上経ちますが、まだラジオ体操は続いているのかな?
疑問に感じる社員がいながら誰も変えようとしない会社は、非効率が他にもたくさん放置されているというのはその通りなんでしょうね。

法則32 出来高が少ない会社は、情報開示に不熱心であることが多い
適時開示にはほぼ毎営業日目を通していますが、こまめに色々な情報を開示する会社もあれば、決算関連くらいしか開示しない会社もあります。株主としては月に数回くらいは何らかのリリースを出してほしいものです。サービス業であれば月次情報などは工夫すれば出せると思いますし、トピックス的な内容でも株主や投資家に分かるように発表してほしいものです。
決算短信も多くの会社に目を通すと面白いです。当期の業績について詳しく説明している会社もあれば、数行で終わっているような会社もあって、情報開示姿勢の違いには極端な格差があります。
IRや情報開示に消極的だった会社でも、経営者が変わったり何らかのきっかけで積極的になった場合は、大きな投資チャンスになる場合があります。投資で大事なのは変化に気付くことですよね!

法則33 IR担当者の急な退職は多くの場合、悪いニュースである
これは確かに心配になりますね。ただ個人投資家の場合、IR担当者と頻繁に接触があるわけではないので、退職しても気付かないケースが大半だと思います。最も気付きやすいのは取締役や監査役の任期途中での退任です。これは会社から適時開示されたり、株主総会の招集通知に書いてあるので、こまめにチェックしていれば分かります。
ナンバー2の役員や経理担当の役員が辞任したり、降格になると不安を感じますね。あと監査役の辞任も何か意見の対立や不祥事があったのではないか!?と心配になります。
辞任理由としては一身上の都合というケースがほとんどで、本当の辞任理由は明らかにされません。株主総会で質問しても、一身上の都合で押し切られたり、個人的な内容ですのでごにょごにょという感じで濁されることがほとんどです。
かなり前になりますが、私の投資先の1社であるティアで創業当時からナンバー2だった取締役が退任したことがあり、路線対立があったのか!?と心配したことがあります。辞任する役員は株主総会にも出席していませんし、株主総会で辞任理由を質問しても一身上の都合としか回答してもらえないので、余計に心配になります。
当時は名証セントレックス市場に上場していて、ほとんど日々の出来高もない状況なのに、大株主でもあるナンバー2が辞任するのは本当に不安でした。競合会社を設立したらどうしようとか、持ち株を売りだしたら暴落してしまうなど心配の種は尽きませんでした。暴落するなら買い増せば良いだけなんですが(笑)
2011年10月19日付のティアイズムブログで、オリンパスなどの不祥事問題と絡めて記事にしています。
今となっては取り越し苦労だったので問題ないですが、辞任理由はもう少し詳しく開示してほしいですね!
 ティアは大丈夫か? 2011年10月19日

法則36 成長する企業は成熟産業の中にも発見できる
成熟産業の中から成長企業を見つけるキーワードは「新たな価値を創造する」イノベーションとの指摘はその通りです。
成熟産業の中から成長企業を見つけることができたら、とてもラッキーだと思います。
まさにピーターリンチの砂漠に咲く一輪の薔薇ですが、成熟産業に属していると一様に割安に放置されていることも多いので、割安成長株が見つかりやすくなります。競合他社は現状維持や撤退傾向なので脅威となるような競合他社は少ないですし、市場が縮小傾向なので新規参入もまず考えられません
そんなぬるい業界で新たな価値を創造することができたら、他社のシェアを奪いながら成長していくことができます。成熟産業なので業界が激変するようなことも少ないので、安定成長が期待できます。
過去の投資先では、ゲオやVTホールディングスがこのタイプの会社になります。
成熟産業の中で成長していくには、競合他社のM&Aも重要な戦略になるので、買収企業の業績を立て直せるかどうかも大事になります。
ゲオの場合は2002年頃から投資を開始しましたが、その当時撤退していく同業他社を次々と買収しては、中古ゲームソフト販売など新たな商材を追加することで業績を立て直し、安定成長を続けていました。数年後からは業界トップのツタヤも同じようなM&A戦略を取るようになり、M&A案件の争奪戦になってしまいましたが、業界のパイは増えないのでM&Aの成否が重要になります。
VTホールディングスも同じような戦略ですが、自動車ディーラーの場合はM&Aに際して自動車メーカーの承認が必要になるので、M&Aが複雑になるという部分はありますが、逆にそれが参入障壁として機能する面もあるので、悩ましいところです。自動車ディーラーの経営を立て直すノウハウは日本一だと思うので、国内でもM&Aが安定して成就してくれると嬉しいですね。
成熟産業の中で同業他社のM&Aをしながら成長していく会社は、中長期投資で大きなリターンが期待できると考えています。

この本を読んでいると、今まで投資してきた会社や投資しようと調べていた会社などが思い出されてきて、面白いです。投資初心者の方が読んでももちろん参考になる本ですが、ベテラン投資家が読んでも自分の投資を振り返ったり、考えが整理できたりするので、ぜい一読されることをお薦めします。
まだまだこのシリーズ続きそうです。
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posted by アイル at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする