2020年09月15日

Casa2021年2Q決算分析2

Casaの2021年1月期第2四半期決算分析の続きです。
今回は売上のベースとなる、契約件数の推移などを見てみたいと思います。
四半期ごとの新規契約件数と保有契約件数の推移は下記の通りです。
2016年までは期末の件数で、今期末の値は目標の保有契約件数です。
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2020年1Q以降はコロナの影響を受けていますが、1Q(2月から4月)は引越しシーズンで繁忙期なので、コロナ下でも新規契約件数、保有契約件数とも伸ばしています。業界全体では人事異動の時期見直しなどの影響で例年と比べると転居需要が減少している中では健闘していると思います。2Qは閑散期なので1Qと比べると減りますが、それでも前年同期比で10.3%伸びています。転居需要が後ずれした影響もあるのかもしれませんね。

競合他社は新規契約件数を開示していない会社も多いので、保有契約件数の推移を比較してみます。
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ジェイリースは2Qと4Qにしか開示されないのでグラフ化できず、近似線を載せています。
各社とも保有契約件数を積み上げていますが、ジェイリースが一番伸びが高くて、現状では4社の中でトップになっています。
続いてCasa、イントラスト、あんしん保証の順になっています。
このグラフだけ見ると、ジェイリースが絶好調で業績も一番良さそうに感じますが、売上推移は下記の通りです。
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売上高ではCasaとジェイリースの差はまだまだ大きくて、保有契約件数と売上高の関係が不思議ですね。
契約件数では差があったイントラストとあんしん保証ですが、売上で見るとほぼ同額になっています。
これはイントラストは家賃保証サービスをOEM提供するソリューション事業の割合を高めているので、保有契約件数の割に売上は低くなっています。一方で利益率では他社と比べて圧倒的に高い水準を実現しています。
先日開催したCasaの会社説明会でも、イントラストとの利益率の違いについて質問が出ましたが、他社とはビジネスモデルが異なる形で事業展開しており、親会社のプレステージインターナショナル的なビジネスモデルで、とても面白い会社だと思います。
次回9月27日の勉強会に、イントラストの桑原社長に来ていただき会社説明会を開催しますので、高収益の理由などを直接聞いていただけたらと思います。
詳しくは下記のページをご覧くださいね!
オンライン参加も可能ですので、全国どこからでも参加いただけます。

4社の経常利益率の推移ですが、イントラスト(En)は安定して30%近い高利益率を維持しています
Casaも十分に高い利益率だと思いますが、それでも平均すると16%程度です。
イントラストは貸倒リスクを取らずに、家賃保証事業の裏方に徹するソリューション事業を伸ばすことで、売上単価は低くなりますが高利益率を実現しています。

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経常利益額の推移は下記の通りで、四半期毎の季節変動はありますが、売上同様Casaがトップになっています。
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4社の過去1年間の株価推移を比較してみると、下記の通りとなります。
一番下の青がCasa、一番上の緑がジェイリース、赤があんしん保証、オレンジがイントラストです。
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今年の1月頃までは4社とも同じような動きをしていて、4月からの民法改正の追い風を受ける銘柄ということで堅調に推移していました。
そんな中でコロナ禍が拡大し、家賃の滞納が増えるのでは!?という心配で全体的に売られて、4月から5月にかけては財務基盤が脆弱なジェイリースだけ株価が回復しない時期もありました。5月末にラカラジャパンとの業務提携を発表して他社の株価に追いつき、1Q決算が良かったことや著名投資家が推奨したことなどから、現状では4社の中で一番株価上昇率が高くなっています。
1月まではほぼ同じような値動きだったのに、かなり差ができてしまいましたね(^_^;)
勉強会に登場いただいているCasaの巻き返しにも期待したいと思います。

最後にジェイリースの売上高と保有契約件数の関係について、考察してみたいと思います。
下記はジェイリースの2020年本決算の決算説明会資料ですが、商品プラン別売上高と保証料の内訳が掲載されています。
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一般的には毎年支払型が標準となっていて、Casaはほとんどが毎年支払型です。
毎年支払型は契約時に月額家賃の50%程度を保証料として頂き、毎年継続保証料として1万円頂くというケースが主流です。
それに対してジェイリースの場合、契約時に一括して保証料をもらい、継続保証料の無い一括支払型が現状でも売上の1/3を占めています。年度別推移を見てもわかる通り、以前は一括支払型がもっと高かったので、契約は継続しているものの売上としてはあまり寄与していない契約がかなりあると思われます。
またジェイリースは大分県から九州に展開し、そこから関東中心に全国展開を進めているので、現状でも九州での売上が1/3を占めており、東京と比べると家賃の水準は低いので、これも契約件数の割に売上が低い要因だろうと思います。

直近では差が開いてしまった4社の株価ですが、業績の変化とともに今後どのように推移するのかも楽しみですね!
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2020年09月14日

Casa2021年2Q決算分析1

Casaの2021年1月期第2四半期決算が9月8日に発表されました
上半期累計の売上は前年同期比8.2%増収、経常利益は45.7%減益という結果となりましたが、1Qにコロナ立替に備えて貸倒引当金を積み増して赤字になった影響が2Qにも残り、絶好調の競合他社と比べると見劣りしてしまいますね。
他社は8月上旬から中旬にかけて決算発表をしていますが、好業績に反応して株価も上がっており、Casaにも決算期待買いが入り、8月以降じり高が続いていました。
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そんな中でほぼ計画通りとはいえ、大幅減益決算なので株価の反応が心配でしたが、翌日の寄付では狼狽売りが出ていたようですが、その後は比較的落ち着いた値動きになっています。企業内容を理解してじっくりと中長期保有する株主が増えたのかな?という感じがしますね。
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ほぼ期間が重なる他社の1Q決算(4-6月)と比較してみると下記のようになります。
 あんしん保証 売上 14.0%増経常利益 56.4%増
 ジェイリース 売上  6.7%増、経常利益231.9%増
 イントラスト 売上 19.7%増、経常利益 18.0%増
 Casa(5-7月) 売上  7.5%増、経常利益  5.4%増
着実に成長していますが、他社と比べると伸び率が小さいですね。
Casaは上場している4社の中で売上規模が一番大きいので、伸び率で見ると低く見えてしまうのだろうと思っています。売上の増加額が同じでも、伸長率は年々低下してしまいますからね(^_^;)
下記のグラフが四半期ごとの売上推移です。ジェイリースJLとイントラストEnの2020年2Qは、計算上の値なので実際にこんなに下がることはないと思います。
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今回のCasaの2Q決算では、1Qで赤字になった利益がどの程度回復するのか!?が注目ポイントでしたが、ほぼ予定通りのV字回復となりました。個人的には立替家賃の回収が進んで、もう少し利益が出るのではないかと期待していた部分もありますが、貸倒引当金の戻りが3Qにずれ込んだ部分もあるようです。
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今後コロナの影響が徐々に落ち着いてくれば、一時的に増加した家賃の回収も進んで、3Qでコロナの業績への影響は無くなりそうです。

利益が回復した要因は貸倒引当金の大幅減少です。
コロナの影響で家賃の立替が増加した影響で、1Qでは貸倒引当金を大幅に積み増すことになり、赤字に転落しました。
6月頃からは住宅確保給付金などの支援策も動き出し、家賃立替の新規発生が減ったことと、1Qに立て替えた家賃の回収が徐々に進んでいることから、2Qでは貸倒引当金が正常化しました。1Qで積み過ぎた貸倒引当金の戻入れが3Qにも計上されてくるので、3Qも貸倒引当金は低水準で推移すると思います。
訴訟費用が減少しているのは、コロナで裁判も一時止まっていた影響もありそうですね。
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新規契約件数や保有契約件数はコロナ下でも順調に伸びているので、保証残高も順調に伸びています。
一方でコロナの影響で一時的に増加した求償債権(Casaが立て替えている家賃総額)は、2Qは横ばいとなりました。本来は保証残高に比例して増加していきますが、1Qはコロナの影響で家賃の立替が増加して、求償債権が異常に増加しました。コロナで緊急事態宣言が出て、経済活動が大幅に制限されるという未曽有の事態だったので、家賃が一時的に支払えない人が増えるのはやむを得ないことだと思います。
政策的な対応もあって経済状況が改善し、立て替えた家賃を回収することで、2Qで本来の位置(点線で表している傾向線)に近付いてきましたが、未回収分が残っており、3Qで正常化するのかなと思います。

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まずは2Q決算のポイントをまとめてみましたが、今後他社との比較も含めて分析していきたいと思っています。
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posted by アイル at 01:23| Comment(0) | 銘柄分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする