2012年04月02日

トライステージ決算発表

トライステージ(2178)の2011年度業績が発表されました。
トライステージは青汁のキューサイやヤーマンなどのテレビ通販などのダイレクトマーケティングを行っている会社に、インフォマーシャルの放映枠の販売や映像制作、受注業務など幅広く提供している会社です。
トライステージはPERが4倍台と非常に割安だったので注目し、ホームページで決算説明会の動画を見たり、会社説明会にも2回参加しています。
決算説明会の動画を見て妹尾勲社長についてちょっと気になったので、東京まで会社説明会参加のためにわざわざ出張したという部分もあります。
2011年8月26日に参加したトライステージ個人投資家向け会社説明会の様子は、下記のレポートにまとめていますので、ご覧ください。
   トライステージ(2178)会社説明会
トライステージ業績
説明会が開催された8月末は、初めて前年売上を下回った7月の月次実績(東日本大震災発生月の2011年3月は除く)が発表されたタイミングで行われたので、売上の前年割れについても質問が出ました。妹尾勲社長は、「創業して初めての前年割れとなった。正直言って我々も教えてほしいくらいで原因は分からない。テレビ通販業界全体が悪くなっている」と率直に語っており、好印象を持ちました。
社長という立場に立つと、率直に語らず格好をつけたり心地よい話ばかりをする人もいますが、投資家としてはそのような社長は警戒する必要があります。いくらバラ色の未来を投資家に向かって情熱的に語っても、実績が付いてこなければ大幅下落という形で株価に現れて損失を被ってしまうためです。
そんなわけで私としては好意的なレポートにまとめたつもりだったのですが、どうも妹尾勲社長は気に入らなかった様で、2011年11月25日に開催された個人投資家向け会社説明会では、上記の会社説明会レポートを強く非難していました。どの部分が気に食わなかったのかはよく分かりませんが、公衆の面前で罵倒されたような気分になり、トライステージに投資する気が一気に失せてしまいました(^_^;)
感情を必死に抑えながら書いた下記の記事もご覧ください。他社の事例を参考にしながらトライステージについても言及しています。
   サンヨーハウジング名古屋の感想
そんな経緯もあってトライステージについては監視銘柄から外れていましたが、3月30日に2011年度の決算短信が発表されたので、久し振りに感想などをまとめてみます。悲しい気持ちになった前回の会社説明会から4ヵ月以上経っているので、比較的冷静に決算を分析できるのではないかと思います(^_^;)

トライステージの月次業績は8月以降も前年割れが続き、妹尾社長が想定していた以上に厳しい状況が続きました。その結果2011年12月28日(水)に発表した第3四半期決算と併せて業績の下方修正も発表しています。計画に対し売上が13.5%減、利益は31%の減という大幅な下方修正となり、下記の株価チャートの通り年末に株価が下落しています。
トライステージ業績
しかしここまで月次の悪化が続いていて下方修正は想定の範囲内ということなのか、下落は一時的ですぐに戻っています。2012年に入り割安な小型株を循環物色する流れもあって、トライステージの株価も堅調に上がってきました。3月12日には会社四季報も発売となり、トライステージについてはかなりポジティブなコメントとともに2012年度のEPSは172円という増収増益予想が掲載されました。
このポジティブサプライズを受けて12日には出来高を伴い株価が上昇しています。
3月14日には2月の月次実績が発表され前年同月比16.7%減となり、株価は少し下げましたが、またしても織り込み済みということや、来期への期待もあって月末の決算発表に向けて株価は上昇していました。
そんな中で迎えた期待の決算発表でしたが、2012年度も減収減益が続くという期待外れの内容で、週明けの株価は80円近く下げて推移しています。

トライステージ決算

トライステージが上場したのはリーマンショック直前の2008年8月ですが、翌年の2009年度が営業利益ではピークとなり、今回発表された2011年度決算は38.6%減、そして2012年度計画はさらに31.2%減と3割以上の営業減益が続く計画になっています。決算発表が金曜日に行われたので、休日の2日間じっくりと決算内容について考える時間があったので、この程度の下落で踏み止まっているのだと感じます。もし決算発表が月〜木に発表されていたら、もっと大きく下がっていたと思います。
それにしても四季報予想値とのかい離は非常に大きいですね!他山の石としてあまり四季報予想を鵜呑みにしないように注意が必要です。
今期の減益計画は、新たなビジネスを構築することにより、将来における売上および利益の拡大の基礎づくりを目指すためであり、各事業戦略を推し進めるために必要な体制づくりと人材づくりに注力することにより、将来における売上および利益の拡大の基礎づくりを確実に遂行するための一時的な減益と説明しています。具体的に強化するのは、WEBビジネス、CRMビジネス、国際ビジネスであり、2011年9月の説明内容とも一致しています。人材なども増やして新規事業を育成するので、今期は費用先行となり減益が続くという内容です。

2期続けての大幅減益というのは非常に厳しい内容です。今まで高い成長を続けてきて株主の期待値も高かったので、株価上昇でPER4倍程度という割安感も解消されると期待していたと思います。それが、業績が予想以上に悪化することで株価が下落し、株価下落とEPSの減少という2つの要因で割安感が解消されるというのは想定外の出来事だと思います。
それだけに会社側としても今期の業績予想をどのような数値にするのかは非常に悩んだと思います。安易な会社であれば努力目標的な数値を掲げて、増収増益にしたり、前年と同程度の計画を出したりします。そうすることで3ヵ月程度は株主からの非難を先送りすることができるからです。
その点で減収減益見通しを発表し、厳しい道を選んだトライステージは評価できると思います。今期の計画を見ても妥当な計画だと思うので、環境が良くなってくれば上方修正も期待できるのではないか?と感じさせる内容です。
投資家は高い目標を掲げて期待させながら結局は下方修正というのを一番嫌うため、まずは保守的な見通しを出してきたのは評価できます。
あとは月次実績がどの程度改善してくるかに注目しながら、業績の達成度を判断していくことになります。

妹尾勲社長の発言を追っていくと、個人投資家より機関投資家を重視しているように感じてしまいますが、機関投資家が運用している資金を出しているのは結局は個人投資家であり、もっと個人投資家も大事にして欲しいと感じます。個人投資家=消費者でもあり、トライステージがマーケティングの対象としている顧客層とも重なると思います。
行動経済学の本を読むと、マーケティング手法というものは消費者を惑わすというか、心理的な隙を突いて思い通りに誘導するための手法ということがよく分かりますが(笑)、そんな仕事を長くしてきた結果世間の常識から少しかい離してしまった部分があるのかもしれませんね。
こんなことを書いたらまた妹尾勲社長から批判されそうですが^_^;もっと消費者や個人投資家の声に真摯に耳を傾けることも大事なのではないか?と感じます。
今期は下期以降徐々に業績が回復してくるといいですね!
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2012年4月3日(月)にトライステージから中期計画が発表されたのでまとめてみました。
   トライステージ中期計画
posted by アイル at 13:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 銘柄分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Zaimaxさん、こんにちは。以前もトライステージの記事でお邪魔した者です。

早速の決算記事、とても参考になりました。サンヨーハウジングの記事も拝見しました。複雑な思いがあるでしょうが、水面下の顛末を記事になさったのは勇気あることだと思います。おくればせながら、一読者として応援いたします。

ところで、トライステージ社のWebサイトに今後3年間の中計がでていますね。Zaimaxさんの記事でも質疑がありましたが、M&Aという言葉が強く押し出されていました。

今後も楽しみにしています。それでは失礼致します。
Posted by betseldom at 2012年04月02日 21:45
betseldomさん、コメント頂きありがとうございます。
ちょっとトライステージはバイアスがかかっていますね(^_^;)
その分は割引いて読んでくださいね!

妹尾社長は過去の会社説明会でもかなり海外展開を意識していると思うので、海外の会社を含めてM&Aを検討しているように感じます。海外の場合は現地の会社とのジョイントベンチャーという可能性も高そうですね。
アジアなどでは可能性も大きいと思いますが、TVショッピングが進んだ欧米の会社との競合になるのかもしれません。
今後の進展を見守りたいですね。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by Zaimax at 2012年04月14日 00:00
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