2012年04月03日

トライステージ中期計画

2期連続して30%以上の大幅減益計画を発表し、株価が急落したトライステージですが、あらたな中期計画を発表しました。公表された資料を見てみると、機関投資家向けに決算説明会を開催し、その中で新たな中期計画についても説明したようです。
大幅な減益計画を発表し株主の間にも動揺があると思うので、中期計画を発表して一時的な減益であることを丁寧に説明することはとても大事なことだと思いますが、なぜ決算発表と同時に開示しなかったのか疑問に感じます。3月30日の決算短信と同時に発表し、3年後に備えた先行投資で減益になることを丁寧に説明すれば、ここまでの株価下落はなかったかもしれません。

この辺りの対応を見ても、個人株主より機関投資家を重視しているように感じてしまいます。
中期計画はまずは機関投資家の皆様に見て頂かなければ!個人投資家と同時に開示するなんて失礼なことはできない!と言われている様な気がしてしまいます。ちょっと被害妄想が過ぎますか?(笑)
個人投資家は機関投資家よりハンデを背負って市場に参加しているので、せめて公平な情報開示をお願いしたいものです。中期計画の資料は公表されているものの、妹尾勲社長が中期計画についてどう語ったのかは全く分かりません。直に話を聞かないと分からないこともたくさんありますし、説明後には質疑応答などもあったはずですが、どんな内容だったのかは一般の株主・投資家には伝わってきません。情報面でこんなに大きなハンデを背負わされてトライステージに投資するのは非常に不利に感じてしまいます。
さらに進んだフェアディスクロジャーを期待したいですね!

さて発表された中期計画ですが、今後3年間のTri-Stage全社スローガンとして
   変わる!変える!徹する!やり切る!
が掲げられています。テレビ通販市場の事業環境の急変で、前回の中期計画は達成できなかった項目が多かったことから、新中期計画はなんとしてもやり切る!という意思を全面に打ち出してきました。

内容を見てみると、既存事業の立て直しを進めるとともに並行して新たなビジネスも創出していく計画になっています。新規ビジネスについては売上目標しか表示されていないので、どの程度の利益貢献が期待でいるのか分かりませんが、グラフにしてみると下記のようになります。トライステージ中期計画
2011年までは実績で2012年以降はトライステージ発表の中期計画になります。
棒グラフが売上を表していて、ピンク色の部分が新規事業での売上高計画になります。2014年度では新規事業で100億円の売上を目指しています。
折れ線グラフが既存事業での営業利益を示していて、新規事業から発生する営業利益は含まれていません。新規事業が軌道に乗れば、営業利益も上乗せになるものと思われます。
左右のスケールを見てもらえば分かるように営業利益は1/10になっているので、折れ線が棒グラフを上回ると営業利益率が10%を超えていることになります。2009年までは利益率の改善が進み、2009年には営業利益率が10%を超えましたが、ここがピークとなりその後は利益額・利益率とも低下が続いています。
今後少しずつ利益率の改善を見込んでいるものの、2014年度でも既存事業ベースの営業利益率は5.3%に留まります。この数値は若干控えめに感じるので、上記スローガンと併せて考えると、やり切る!ために保守的な利益計画にしているのかな?という感じもします。
売上の伸びはかなりアグレッシブな計画になっているので、この実現可能性がどの程度あるのかが重要です。既存ビジネスの伸びはあまり見込めないような計画になっているので、新規事業が軌道に乗るかが今後のトライステージの行く末を決めます。新規事業の進み具合に注目していきたいですね!

トライステージは時価総額70億円弱ですが、株主構成を見るとファンドなどの機関投資家の保有割合が高いことが分かります。これが個人投資家より機関投資家を重視する要因なのかもしれませんし、今まで機関投資家中心にIR活動を行ってきた結果、機関投資家の割合が高くなっているのかもしれません。
上場当時の株主構成はベンチャーキャピタルの割合が高かったので、これらの放出株をまとめて引き受けてくれる機関投資家を重視してきたのかもしれません。

トライステージの主要取引先の1社にヤーマンという会社がありますヤーマンも先日超絶減益決算を発表し、株価が急落しました。私はこれをヤーマンショックと呼んでいますが、すでに株価はショック前の水準を回復しています。ヤーマン(6630)とトライステージの株価推移を比較してみました。
トライステージ中期計画

ヤーマンショックの全貌(笑)については下記の分析記事もご覧ください。
   ヤーマンショック!
上記チャートの通り3月14日昼休み中に、予想だにしなかった四半期赤字となる3Q決算を発表し急落したヤーマンですが、同じ日の14時26分に株主優待品の内容決定に関するお知らせという取って付けたようなプレスリリースを発表しています。昨年と同様の株主優待品であり、特にこのタイミングで発表するようなリリースではありません。私もこんな目くらましの様なリリースを出してお茶を濁すとは酷いな〜と思いましたが、その後の株価推移を見ると私の認識が甘かったことが分かります。
業績は良くないですけど4月末までにヤーマンを買うとこんな株主優待品がもらえますよ〜と案内するだけで、これだけ株価を持ち上げる効果があるとは予想もしませんでした。
ヤーマンショック後の会社側の対応を見ると、ヤーマンという会社は消費者の気持ちがよく分かっていると感じます。株主優待の威力をまざまざと見せつけられた感じです。

一方でヤーマンにダイレクトマーケティングを指南しているはずのトライステージは、決算発表の数日後に機関投資家向けの説明会を開催し、新たな中期計画を発表しました。個人投資家向けの対策はまったく手を打っていません。
今後トライステージの株価がどう動くのかは分かりませんが、個人株主に動揺が広がっている時だからこそ、ヤーマンのように個人投資家が飛びつくようなプレスリリースを行えば、株価の下げを抑えることができたかもしれません。テレビ通販が伸び悩みクライアントの売上も落ちているわけですから、多数の在庫を抱えているクライアントも多いと思われます。こういった在庫を活用して株主優待を行えば、3者が喜ぶ良い制度になるのにと感じます。
株主の皆様には日頃のご支援に感謝してヒアルロン酸コラーゲン配合の化粧品を株主優待としてプレゼント致します!さらに今トライステージ株を購入頂いた方にはグルコサミンコンドロイチンもプレゼント!みたいなインフォマーシャルを作ってホームページを通じて、あるいはナマコマ?で放映すればトライステージ株に買いが殺到すること間違いなし!だと思います(笑)
このくらいの株価対策も行えないようでは、クライアントのヤーマンから笑われそうです。
トライステージはダイレクトマーケティングのプロ!と言っているが、我々の方が個人投資家や消費者の気持ちをよく理解しているじゃないか!何も高いフィーを払ってトライステージにお願いする必要はないのではないか?自社でインフォマーシャルを作った方が売上アップにつながるかも(笑)、などと言われてしまいそうです(^_^;)
機関投資家向けの理詰めの対策(中期計画の発表)も大事ですが、個人投資家向けの感情に訴える株価対策にも期待したいところです。
とはいえ今ごろ2月末の株主に対して株主優待を導入しても効果はありません。
なので権利日が近い第1四半期末の株主様に対し株主優待制度を導入する!と発表すれば、株価へ与えるインパクトは絶大なものになると思います。

第1四半期末は5月末になるので、これから株主優待目当てに買うにはちょうどいいタイミングです。
1Q末の株主に対し株主優待を実施というのはあまり聞いたことがありませんが(笑)そのくらい前例にとらわれない、誰も思い付かないような戦略を打ち出すのがトライステージらしさでしょうし、変わる!変える!徹する!やり切る!というスローガンにも通じるものがあるのではないでしょうか?
ぜひ個人投資家向けの感情に訴えるIR活動にも期待したいですね。
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posted by アイル at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 銘柄分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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