2013年02月18日

一六堂の立会外分売

東証1部に指定替えとなった一六堂が再度の株式立会外分売実施を発表しました。
東証1部上場維持には2,000人以上の株主数を維持する必要がありますが、今期末の株主数が維持ラインを割りそうなんでしょうね。会社側は立会外分売実施の目的として、当社株式の流動性向上及び株主数増加並びに株式分布状況の改善を図るためとしていますが、一番の目的は費用と時間をかけて実現した東証1部上場を維持するため急遽決算期末直前に立会外分売を実施するのだと思います。
株主数を増やすためには個人株主を増やす必要があるので株主優待導入が一番だと思いますし、サービス業の一六堂ならなおさら株主優待導入が望まれます。私もずっと株主優待を導入してほしいと会社側にお願いしてきましたが、予想外の立会外分売実施という発表はとても残念です。
東証1部に上場するため過去にも一六堂は立会外分売を実施してきましたが、株主数の増加効果は一時的で安定した株主の確保にはつながっていません
東証2部に上場していた一六堂は東証1部指定替えを目指し、不足していた株主数を増やすため2012年に2回立会外分売を実施しました。
2012/7/30に30万株を399円(上限300株)で立会外分売
 株主数は計算上1,000人〜3,000人増加見込み
2012/10/18に3.6万株を452円(上限300株)で立会外分売
 株主数は計算上120人〜360人増加見込み

その結果株主数はどうなったのか、途中経過を分析してみます。
一六堂の株主数推移は下記棒グラフの通りです。
一六堂立会外分売
一六堂は名証セントレックス市場に上場しましたが、2011年12月に東証2部に上場し、1年後の2012年12月に東証1部に指定替えとなりました。この間の株主数は1,400人前後で推移していますが、東証上場期待などで株価が上がるとともに株主数は減少傾向で推移しています。東証1部に指定替えとなるためには2,200人以上の株主数が必要なので、2012年7月に分売を行いました。分売を実施すると計算上株主数が増えたと見なされるので、2012年2月末の株主数1,383人にみなし株主数増加数1,000人を加えて、株主数が2,383人になるので、東証1部指定替えの条件を満たしたはずでした。
7月の分売は30万株を1人上限300株という条件で実施したので、完売した場合30万株を300株で割ると最低でも千人の株主が増加したとみなされます。実際は100株200株購入する人もいるので最大3,000人増加する可能性があります。ただし既に一六堂の株主も分売に応募するので、実質的に何人株主が増えるのかは株主名簿を締めてみないと分かりません。
一六堂としてはこれで大丈夫!と考えていたと思いますが、8月末の株主名簿を見ると2,093人しかいなくて、指定替え基準と比べて107人不足していることが判明しました。そのため10月に急遽追加で分売を行い、無事12月に東証1部指定替えとなりました。
上記グラフでピンクの棒グラフが会社側が想定していた8月末の株主数ですが、実際はかなり下回りました。これは既存の株主も分売に応募していること、分売を実施しても当日売却してしまったり、すぐに他銘柄に乗り換える投資家も多いためです。株主を続けることに魅力を感じないと、一見さんの株主はすぐに去っていってしまい定着しません。株主を定着させる魅力策の一つが半期ごとの株主優待なので、ずっと会社側には提案し続けてきましたが、いつも立会外分売実施で形式的な株主数を満たす小手先の対応を続けるのは本当に残念です。
もちろん株主優待導入も小手先の対応かもしれませんが、分売を繰り返すよりずっと効果的でファンも増えます。そろそろ株主の意見に耳を傾けてくれてもいいのにと感じます。
2012年12月に東証1部上場も実現し、期待が高かった株主優待も導入しない姿勢がはっきりし、さらには一部で最大の株価材料とも言われていたTOPIX組み入れ買いも終わり、現状の株主数は大きく減っていると思われます。私の周りでも売ってしまったという人が多くて、1,600人程度まで減っているのではないかと感じます。株主数が2,000人を下回ると1年間の猶予期間はあるものの2部に降格になってしまいます。
そのため今回の分売実施に踏み切ったものと思われます。
しかし大型株やバイオ・不動産株などがこれだけ短期間で急騰している中で、ほとんど動きのない一六堂株に人気が集まるとも思えません。分売で一時的に株主数が増えたとしても、8月末にはまた減ってしまいます。今後も半期ごとに分売を実施してしのいでいくつもりなんでしょうか?こんなことを繰り返していると、大株主が売り抜けたいので分売をしているだけでは?などと勘ぐられてしまいます。
もう少し個人株主も大事にして欲しいですね。

分売実施を発表すると株価は下げるものですが、500円は割らせないぞ!という感じがします(笑)
下記は発表翌日の日中の板状況です。この後500円の防衛ラインはあっさりと破られましたが^_^;また盛り返してきています。大株主も安値では売りたくないようです(笑)
一六堂立会外分売
ちょうど同時期に電算システム(3630)も同じような目的で立会外分売を発表したので、比較しながら分析してみます。

電算システムは非常に興味深いケースです。
電算システムはクオカードなどの株主優待を行ってきましたが、2011年1月に株主優待の廃止と増配を発表しました。その後立会外分売を2度実施し、2012年9月に東証1部に指定替えとなりました。そして12月に決算期末を迎えたわけですが、たぶん1月下旬に届いた株主名簿を見て経営陣に衝撃が走ったものと思われます(笑)
2012年6月末の株主数は2,003名でまさに東証1部上場維持基準ギリギリでしたが、計算上200人株主数が増加する立会外分売を9月に実施して東証1部上場となりました。
この辺りも一六堂と同じような経緯をたどっています。
しかし株主数はたぶん増加せず、逆に減ってしまったのではないかと感じます。電算システムも地味な会社ですし、株主優待も廃止したので個人投資家からは魅力的ではありません。株価も横這いで他社と比べて魅力的とは言えません。
株主数の激減に驚いた!?会社側が打ってきた策が株主優待復活と立会外分売です。
電算システム立会外分売
まず1月30日の決算発表時に株主優待再開のお知らせをリリースしています。
株主優待廃止後、多くの株主様から優待再開を望む声を頂戴したこと、東証1部上場を達成したのでさらなる株主還元策の充実をはかり、株主の皆様からより一層のご支援を頂きたいので株主優待を再開するそうです。
なんか言ってることが矛盾しているように感じますが、株主数を増加させるために慌てて再開するので、論理的に矛盾しているのもやむを得ないのかもしれません(笑)
優待内容も具体的には決まっていないというのも慌てて準備した感が出ていて好印象ですね(笑)
株主優待の廃止と再開ではゲンキーが有名ですが、個人株主を軽視するとこんなことになってしまいます。
ゲンキーについては下記の記事もご覧ください。
 ゲンキー株主優待復活!
12月末現在の株主を対象に優待を行いますが、中間期末の6月末に株主優待をした方がいいのにな〜と感じます。いま発表して6月末権利なら優待がもらえるまでの期間も短いですし、6月末時点で上場維持基準を満たすことができます。12月権利だと実際に優待がもらえるのは13ヵ月以上先ですし、12月末で基準を満たしていなかった場合、即2部降格になってしまいます。なんでこんなリスクの高い策に出たのか理解に苦しみますが、十分に検討できなかったせいかもしれません。
株価は優待再開発表で跳ね上がりましたが、二の矢として放たれたのがなんと立会外分売です!
1年先の株主優待だけでは不十分と考えたのでしょうね。今回の分売で計算上最低200人株主が増加することになるので、前期末の株主数は1,800人位まで減っているんでしょうね(笑)
立会外分売の目的は、当社株式の分布状況改善および流動性向上をはかるためとなっていますが、額面通りに受け取る人はほとんどいないでしょうね(笑)

優待再開に喜んで飛びついたところに分売発表という不意を突かれ、株価は往ってこいになってしまいました。とはいえ、株主優待を再開した電算システムでもここまでの危機感を感じて対応しているのに、一六堂は頑なに株主優待は拒んでいる感じで、今後両社の株主数がどう推移していくのか注目ですね!
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posted by アイル at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 立会外分売 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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