2016年12月26日

ストーリーとしての競争戦略

ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件 楠木 建著を読みました。
   
けっこう分厚い本なので最後まで読むのに時間がかかりましたが、面白い本でした。

優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリーだ。
成長を続ける会社には、思わず人に話したくなるような面白いストーリーがある
そしてそのストーリーの中には一見すると非合理に見える戦略が組み込まれており、それが持続的な競争優位の源泉になっている
業界の常識からすると非常識な戦略なので、競合他社はその部分を除いて合理的に見える部分だけを真似をしたり、あるいは表面的な理解で非合理な部分も含めて真似をするが、中途半端に模倣する結果全体の戦略がおかしくなり、さらに差が広がっていくことになる


なかなか面白いですが、一見非合理に見えるから他社に真似されにくいし、合理的な部分だけを抽出して真似すれば更に良い戦略になるだろう!と、非合理に見える肝の部分を除いて真似をするので、全体の戦略のバランスが崩れて自滅していく、という指摘は興味深いですね。
思わず人に話したくなるような面白いストーリーを持った会社は成長を続ける可能性が高いのであれば、そういった会社は長期投資に適しているので、面白いストーリーを持った会社は長期投資の対象になります。

本の中で例として挙げられていたガリバーインターナショナルは、私も面白い会社だと思ったんですが、どこで歯車が狂ったのか、今は少し迷走している感じです。
消費者のニーズの変化を読み違えたのかな?ガリバーになって驕りが出てしまったのかな?
株主としては、また面白い戦略を組み立て直して、再度成長軌道に戻ってほしいと思います。

長期投資の場合、長きに渡って成長を続ける会社に投資したいので、「成長を続ける会社には、思わず人に話したくなるような面白いストーリーがある」ということは、長期投資をしたくなるような会社にも思わず人に話したくなるような面白い成長戦略のストーリーが必要という事になります。
過去はVTホールディングスやティアがそういった会社でしたが、最近のティアは成長率も少し物足りないし、成長ストーリーの面白さも何度も聞いて少し薄れてきたかな?という感じです。
ティアブログはもう更新しないんですか?という問い合わせもありましたが、このブログを更新するだけでも手一杯なので^_^;他のブログまでとても手が回りません。ご期待に応えられずすみません。

VTホールディングスについては、中長期的には外部環境にもあまり左右されずに成長を続けられる面白い成長戦略を持った会社で、従前と変わらず今後の成長にも期待しています。
ただ今年は、三菱自動車の燃費不正問題の直撃を受けて減益となり、私のポートフォリオの中で足を引っ張った最大の銘柄になりました。
三菱自動車がやらかしてくれたおかげで今年は大幅マイナスだと覚悟を決めていました^_^;
単年度の成績は重要ではないので、来年は今年の落ち込み分を大幅に上回る利益成長を期待しています。

そんなわけで、いま一番思わず人に話したくなるような面白い成長ストーリーがある!という会社はグループリースですね。
グループリースは、東南アジアでオートバイや農機などのリース販売を行っているリース販売会社ですが、マーケットの大きい都市部ではなく、マーケットが無いと思われている、あるいはあっても小さすぎて商売にならない!と思われている田舎中心に、低コスト(1ヵ所500US$程度)の販売拠点を多数展開し、リース販売を行っています。
対象としている顧客層は銀行口座も持っていない様な人なので、収入などの証明書より人物本位の独自の審査基準で与信の判断をするという、東南アジアに適した、でも一見非合理で効率が悪そうに見えるビジネスモデルを確立し、2年半くらい前から成長軌道に乗りました。
都市部で事業展開している同業他社がビジネスモデルを真似して地方に進出してくることもあったそうですが、リース契約自体は増えるものの表面的な模倣なので返済の滞りが多発し、撤退していったそうです。
まさにこの本に書かれている通りの展開です^_^;

グループリースはタイの上場企業で、当初はタイのオートバイリース販売の会社でしたが、カンボジア進出にあたり、カンボジアの地方部に適したビジネスモデルを作り上げ、マイクロファイナンス会社に生まれ変わりました。
カンボジアモデルをデジタルファイナンスと呼んでいますが、このビジネスモデルを周辺国のラオス、インドネシアに移植して展開しています。今後はミャンマーやスリランカへの進出が発表されています。
グループリースの将来像について妄想を膨らませたり、投資仲間と語り合うのはとても楽しいですね。
まさに、優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリーだ!を地で行っている感じです。
ネットでググると色々と悪い噂もあるのでお薦めはしませんが、悪い噂のお蔭で成長性の期待できる会社に割安に投資できるという面もあるので、難易度は上がるものの悪い噂があることが一概に良くないとも言えない部分が投資の面白いところですね。
とは言ってもグループリース自体は高く評価されていて、海外の機関投資家からも注目されています。
12月23日時点の時価総額が2,700億円、PERも83倍で成長企業としての評価がされています
来期予想のPERは40倍台になる見込みです。

一方でグループリース株を34%近く持つ親会社のウェッジホールディングスは、370億円ほどの時価総額評価で、子会社の成長性が十分に織り込まれていない水準ではないかと思っています。
まあ夏頃までは時価総額が100億円程度でまったく評価されていなかった事を考えると、それなりには評価されてきたとは言えますが^_^;

でもこの程度の評価で終わる事業ではないと考えているので、
思わず人に話したくなるような面白い成長ストーリーが今後も続くのか?
あるいは大失敗で笑い話に終わるのか!?
(他人の失敗は蜜の味ですからね^_^;)
その答え合わせは、2020年にしたいと思っています。
笑い話で終わらないことを祈る!(笑)
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posted by アイル at 00:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アイルさん、こんばんは。

本日GLから出たプレスリリースを見ると、今後20ヶ国への進出目標。
アフリカや東ヨーロッパへもという内容ですが、アジアを飛び出して、新興国の田舎をターゲットとしていてグローバルな展開が加速していきそうですね。
中長期的にますます面白い成長ストーリーになることを期待しています。

04 Jan 2017
GL Expanding to 20 Countries in 2017(Press Release)
http://gl.listedcompany.com/news.html/id/562364/group/newsroom_homecorporate

Posted by ポロちゃん at 2017年01月04日 19:28
ポロさん、いつもありがとうございます。
私もグーグル翻訳で読みました!

今年はインドネシアの立ち上げとミャンマーの事業拡大に注力すると思っていたんですが、2017年の目標は20ヵ国まで進出先を広げる事!とは驚きました。
それほどの急拡大の仕込みをしているなら、今期の業績がどの程度になるのか予想できない!というのも納得ですね。
まずはインドネシアとミャンマーの拡大に取り組んでほしいと思っていましたが、有利なM&Aチャンスがあれば逃さない!そのために手元流動性を高めている、と言うような発言もあったので、チャンスは虎視眈々と狙っているんでしょうね。
来年以降の業績がさらに楽しみになってきました!
Posted by アイル at 2017年01月04日 23:47
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