2017年05月11日

デジタルファイナンス誕生秘話

視察の順番通りに記事をアップすると次はミャンマーになりますが、タイ以外ではデジタルファイナンスと呼ばれるビジネスモデルを展開しているので、ミャンマーの視察内容をまとめる前に、まずはカンボジアでデジタルファイナンスモデルが誕生した経緯についてまとめてみたいと思います。
その方が海外事業について理解しやすくなると思います。

今回の視察旅行では、ミャンマーやインドネシアなどグループリースのこれからを牽引する国々を見る事も楽しみの一つでしたが、グループリースの成長を何段階も引き上げる事になった『カンボジアでデジタルファイナンスが生まれた経緯』を直接聞くこともとても楽しみにしていました。
カンボジア事業開始には多くの方々が関わっています。
以前からカンボジアを訪れて事業展開の可能性について検討していた此下会長、此下社長、そして実際に会社を立ち上げて運営してきたGLFの石神CEO、上妻副CEO、そして田代さんなどが主なメンバーだと思います。
此下社長は決算説明会などの場で、内戦が終わったとはいえ、夜ホテルに泊まっていると遠方からパンパンという銃声が聞こえるような頃からカンボジアに来ていたと話しています。
此下会長も2012年10月26日にカンボジアで行われた、GLFの本格的始動の記者会見で下記の様に話しています。
「私は1998年にプノンペンに訪れています。ちょうど内戦集結の1年後でした。
当時の街は現在のように平和ではなく、多くの人から本当に、本当に危険だといわれ17時以降に外出は出来ませんでした。道路も舗装されていません。クルマもオートバイも、ナンバープレートなしで走っていました。私は、この地のクルマに、特にオートバイにナンバープレートがつくのを待っていました。実際、この地の経済発展は非常に早く、いまや全てのクルマもオートバイもナンバープレートがついています。」

詳しくは下記のリリースをご覧ください。
 カンボジアでのファイナンス事業に関する記者会見のお知らせ

カンボジア事業の立ち上げに重要な役割を果たした方々の中でも特に話を聞きたかったのは、カンボジア事業の立ち上げを最初に任されて、以降ずっとGLFの経営に関わっている石神さんです!
ところが当初の予定では、カンボジア訪問時に石神さんがカンボジアに居ない可能性が高いと言われてしまい、とても残念に思っていました。
カンボジアには3月18日(土)〜21日(火)の4日間滞在しましたが、当初の予定では土曜日は午前中にバイクオークションを見るだけで、午後はフリー。日曜日はもちろんフリーということで、実質的に20日(月)、21日(火)の2日間でした。この2日間石神さんがカンボジアに居ない可能性が高いと言われてしまい、直接話しが聞けないことを残念に思っていました。
ところが18日朝プノンペンの空港に降り立つと、石神さん自ら空港まで迎えに来てくれていて、空港目の前にあるホンダPOSや本社に隣接したバイクオークション会場、本社内を案内してくれました!
月曜以降の予定が流動的だったので、土曜日に視察行程を前倒しして調整してくれたそうです。
夜には食事をしながら、立ち上げ当初の苦労話なども聞くことができて大満足でした。

昼過ぎからお腹の調子が悪くなり、何も食べられずお茶しか飲めなかったのは残念ですが^_^;
前日の夜タイで食べた料理の中に、トウガラシが練り込まれた激辛肉団子^_^;など激辛料理が多くて、胃の調子が弱っていましたが、昼に飲んだ人参ジュースがあまり良くなかったようで、完全にお腹を壊してしまいました。結局土曜日の夜から月曜日の朝まで絶食して、なんとか胃の調子を整えました。アジアを旅すると、一度はお腹の調子が悪くなりますね。このくらいで本題に戻ります(笑)
GLF
   プノンペン空港前にあるNCX直営ディーラーホンダバイクと車も販売
石神さんは元々APFで営業をしていたそうですが、APFがグループリースを子会社化したことでGLの仕事をするようになりました。
2011年の秋も終わろうかと言うある日、突然此下会長に呼ばれて、
明日からカンボジアに行って新事業を立ち上げてきてほしい!
と言われたそうです^_^;
来月とか来週ではなく、明日からカンボジアですからね〜突然すぎますよね(笑)

もちろん断ることもできたんでしょうが、会長が石神さんを見込んでの依頼なので、引き受けて翌日のフライトでプノンペンに向かったそうです。
会長からは現地の法律事務所だけ紹介されて、ここに相談して会社を設立するように!という指示だけだったそうです。
不安を抱えながらプノンペンに向かう機中で、隣に座っていた人から
「君がグループリースからカンボジアに派遣される人なのか?」
と聞かれ、怪訝な顔をしながら「そうですが?」と答えたら、
隣に座っていたのはなんとNCXの人だったそうです!

今後一緒に事業展開していくことになったのでよろしく!という話になり、今夜夕食でも食べながら今後の相談をしようという話になりました。そして当面の事務所として、当時NCXが本社兼直営ディーラーとして使っていたビルの、空室となっていた2階の1部屋を借りる事になり、GLFはこの場所で2011年11月25日にスタートしました

いきなり明日からカンボジアに行って新事業を立ち上げてくれ!という無茶振りも凄いですが、引き受けた石神さんも凄いですね。
とはいえフライトの隣の席にNCXの人が偶然座っているなんて事は考えにくいので、此下会長が事前にチケットを手配していたんでしょうね。
NCXはホンダとライセンス契約を結んで、カンボジア、ラオス、ミャンマーでホンダバイクの開発・製造・販売を行っています。カンボジアでの事業が一番大きくて主力事業になりますが、事業を拡大するためにカンボジアでhire purchaseを提供してくれるパートナーを探していました
隣国のタイではhire purchaseでバイクを買うのは一般的で、hire purchaseを提供する会社も多数ありましたが、当時カンボジアでは現金でバイクを購入していました。所得が少ない人がバイクを手に入れるためには、時間をかけてお金を貯めないといけないので、現金購入しか購入手段がないという部分がNCXが事業を拡大するうえでの制約になっていました。

カンボジアでもhire purchaseでの購入が普及すれば、バイクの販売台数も大きく伸びることが期待できるので、NCXはタイのhire purchase会社にカンボジア進出をお願いしていましたが、どこからも前向きな回答はなかったようです。
銀行系などは特にですが、旧来のファイナンス会社は保守的なので、タイで成功しているのにわざわざ大きなリスクを取って、hire purchaseが未知のカンボジアに進出する必要はないという事なんでしょうね。タイと比べるとカンボジアの所得はずっと低いですし、貸倒れ率がどの程度になるのかもまったく分かりません。
カンボジアではファイナンスリース免許を持った会社が1社もなく、まだ誰もhire purchaseを行っていないので、需要や参考になる貸倒実績もない未知の世界です。そんなハイリスクな国に誰もトップバッターで進出しようとはしなかったんでしょうね。
そんな中、以前からカンボジアを訪れてビジネスチャンスを狙っていた此下会長は、NCXという強力なパートナーと組むことで成功を確信し、カンボジア進出を決断したんだろうと思います。
カンボジアではNCX製のホンダバイクが95%以上のシェアを占めていて、ほぼ独占市場になっています。カンボジアでNCXと組んでhire purchaseを提供するのは、カンボジアの実情を理解している人には大きなチャンスだと理解できたのだろうと思います。
こういった背景があるので、石神さんに辞令を出す前から、NCXとカンボジア進出計画について打ち合わせを重ねていたんでしょうね。
だからフライトで隣の席にNCXの人が座っていたんだと思います(笑)
冒頭の此下会長のスピーチを読むと、2011年10月25日にHONDA NCX(N.C.XCo.,Ltd)から案内を受けて、カンボジアのNCX本社を訪問しているそうです。それからちょうど1ヵ月後に石神さんに突然の辞令が下りたことになります。

タイは東南アジアの中では先行して発展した国であり、成長率は徐々に鈍化しています。タイだけでの事業展開では大きな成長は望めないと考え、海外進出を検討していた此下会長にとってNCXはとても良いビジネスパートナーだったのだろうと思います。それはNCXにとっても同じだと思います。
ただカンボジア進出はGLにとっても初めての海外展開でありリスクも大きいので、社名にはGLが入っているもののGLと資本関係のない別会社としてGL Finance PLC.(以下GLF)は設立されました。
たぶんAPFが出資してGLFを設立したのだろうと思います。

GLFは2011年11月25日にビルの1室からスタートし、2012年3月14日に会社として登記されました。
2012年5月17日にカンボジア中央銀行からカンボジア史上初のファイナンシャルリース事業ライセンスを取得し、オートバイファイナンス事業を始めました
そして2012年8月22日にグループリースが子会社化すると発表しています。
ファイナンス免許も無事取得し、POSも徐々に設置が進むなどデジタルファイナンスの原型が徐々に出来上がりつつあり、カンボジア事業の成功の確実性が高まったと判断して子会社化したのだろうと思います。
下記のリリースで写真と共に紹介されています。
 GLF社の株式取得に関するお知らせ

デジタルファイナンスの原型は出来上がりつつあったものの、まだまだ苦労は絶えなかったようです。
仕組みを作っても現場でうまく回らなかったり、まだ生まれたばかりの新しい会社なので人財が定着しなかったり様々な苦労があったようです。
中でも一番大きかったのは、カンボジア人は借金することを恥だと感じている部分があって、頭金だけで今すぐバイクが手に入りますよ!とセールスしても、お金を借りることに抵抗を感じてなかなか契約に繋がらなかったことでしょうね。

長くなったので、続きは後編にまとめたいと思います。
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posted by アイル at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 銘柄分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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