2020年08月10日

家賃保証会社株主資本比較

家賃保証会社は財務面での安全性も重要ですので、前回の貸倒引当金の比較に続いて株主資本の比較をしてみます。
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保証残高はおおよそ下記の通りです。イントラストは極度額しか開示されていないので比較が困難ですが、170億円程度でしょうか。
Casa 410億円、ジェイリース 340億円ほど
あんしん保証 140億円ほど、イントラスト 不明^_^;

4社を比較してみると、自社で貸倒リスクを負わないソリューションサービスが売上の半分程度を占めているイントラストが、一番高い株主資本比率となっていて、75%近くに達しています。安全性が高いとはいえちょっと高過ぎですよね^_^;
Casaとあんしん保証は50%程度であり、安全性が高いと言えると思います。もちろん資産の中身が重要なので、株主資本比率だけで安全性が高いとは言い切れませんが、家賃保証会社の場合、現預金を除けば資産の過半を占めるのは求償債権や立替金なので、これらについては前回記事の貸倒引当金分析を参考にして頂ければと思います。

ジェイリースは株主資本比率が9%と極端に低いですね。保証会社としては安全性が心配になる水準です。
株主資本が7億円ほどしかないので、300億円以上保証している家賃の規模と比べると、回収不能家賃が想定以上に増えたりすると、債務超過に陥りかねない状況です。ジェイリースは2年続けて過年度決算を修正することで、前年対比の業績が一見良くなっている様に見えますが、過年度決算を修正しても株主資本は棄損していくので、このような状況になっています。

家賃保証会社の負債の中には前受金(前受収益)という項目があり、これは入居者から頂いた保証料を計上しておくものです。Casaの場合は受取った初回保証料や年間保証料を前受金に計上し、毎月1/12ずつを取り崩して売上に計上しています。各社によって売上計上方法は異なりますが、前受金という科目はあります。
前受金は外部に返済する必要のある負債ではなく、将来売上に計上するまでの間、受取った保証金を入れておく科目なので、この部分を負債から除いて株主資本比率を計算した方が実態に近くなります
先日のCasaの説明会でもこのような説明があり、実質的な株主資本比率は75%程度と説明がありました。
保有契約数が順調に伸びていくと比例して前受金も増加していくので、株主資本比率が見た目上悪く見える影響もあるので、前受金を除いた株主資本比率も比較してみます。
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修正後の株主資本比率はCasa76%、ジェイリース11%あんしん保証51%、イントラスト89%になります。
前受金が少ないジェイリースとあんしん保証は2ポイントほどの上昇に留まりますが、Casaは29ポイントほど上昇します。
青色部分の株主資本の金額を比較しても、Casaの安全性は高いことがよく分かります
これだけ財務的な安全性が高いわけですから、そんなに保守的に貸倒引当金を積まなくても良いのでは?という気もしますが、逆に言えばそれだけ保守的に事業運営をしてきたから、株主資本が積み上がっているのかもしれませんね

最後に株主資本比率の推移もグラフ化してみました。
株主資本に大きく影響するのは利益と増資なので、利益推移のグラフと比較してみるとよく分かるのではないかと思います。
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イントラストの16Q3やジェイリースの16Q1に株主資本比率が上昇しているのは、IPO時の増資の影響です。
あんしん保証の株主資本比率が低下傾向なのは、自社保証商品の割合を高めている影響なのだろうと思います。
イントラストはソリューションサービスの割合を高めることで貸し倒れリスク要因を減らしていることと、継続して利益が出ていることから株主資本比率が徐々に向上しています。
Casaの場合は直近1Qを除いて利益は出ているものの、契約件数が順調に増加したり、新商品の開発やデジタル化対応などの先行投資を行っているので、株主資本比率は横ばいという感じですね。実質的な株主資本比率は76%なので、すでに十分に高いですが^_^;

来月のCasaの2Q決算を楽しみに待ちたいと思います。
皆さんのおかげで5位まで上がってきました
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posted by アイル at 20:55| Comment(0) | 銘柄分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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