トライアルセット生活

2012年02月16日

新日本のお金持ち研究

橘木俊詔氏と森剛志氏の書いた 新日本のお金持ち研究 暮らしと教育 を読みました。
この本は、誰がどのようにしてお金持ちになったのかを分析した 日本のお金持ち研究 に続く第2弾です。
富裕層を目指すには、実現している人について知ることも大切だと思います。
    
前著では、当時国税庁が毎年発行していた「全国高額納税者名簿(2001年度版)」の中から年間納税額3,000万円以上の層を「日本のお金持ち」と定義して、どんな人たちなのか?どのようしにしてお金持ちになったのか?を分析しています。納税額3,000万円は所得に換算するとおよそ1億円以上に当たり、当時の日本に約9,000人存在していたそうです。全国高額納税者名簿には住所・氏名なども載っていたので、こうした方々にアンケート調査を行い、その結果などから日本のお金持ちを分析していました。
今から考えるとお金持ちの個人情報を大々的に公開していたとは信じられませんね(^_^;)

この調査から分かったのは、日本のお金持ちの45%はオーナー企業家(アントレプレナー起業家で成功した人)と医師が占めています。医師といっても大病院の勤務医ではなくほとんどが開業医です。日本医師会の政治力は強力なので、日本の開業医はかなり優遇されています。そのあたりが如実に表れた結果だと感じますね。
第2弾の新日本のお金持ち研究では、そのお金持ちに再度アンケート調査を行い、彼らがどんなことを考えているのか、どんな生活・行動をとっているのかなどを分析しています。具体的には、現代日本の富裕層はどこに住み、どのような教育を受け、子供の教育についてはどう考えているのか、富裕層と富裕層予備軍の消費や資産形成はどんな傾向にあるのか?を調査・分析し「お金持ちはどのような人生を送っているか」に焦点を当てた興味深い一冊です。こうした研究は日本ではあまりないのでとても参考になる面白い本です。
ただ問題だと感じるのは、高額所得者なのでフローの所得が多い人ということになります。その所得をきちんと蓄積していけば本当のお金持ちになるのでしょうが、この調査ではストック(資産)の大小は分かりません。一時的に稼いでいるだけという疑似お金持ちも混じっているということです。
そして分析の中心が開業医とオーナー経営者に偏っています。特に開業医の割合が高い様に感じます。
この辺りは留意する必要があります。

その点を踏まえても、一番興味深かったのは富裕層と呼ばれる人たちが消費や資産形成についてどのように考え行動しているのか?という部分です。
富裕層の定義を金融資産を1億円以上保有している人とすると日本国民全体の1%程度だそうです。
一般的なイメージとしては、テレビでセレブ生活として流されているように、豪邸に住んで高級車を何台も保有し、ドレスで着飾り派手なパーティーを楽しむ、みたいな想像をしますが、実際はそんな人は少数派であり、大多数は地味な生活を送っています。
この本では、富裕層にライフスタイル調査を行うとともに、セレブ生活に憧れている富裕層予備軍が読者の大半を占めている富裕層向けの雑誌購読者のアンケート結果と比較しています。
この結果が非常に興味深かったですね!
日本のお金持ち研究
上記のグラフは、投資やオーナーシップの分野について、富裕層と富裕層予備軍それぞれに好きなことや趣味を聞いた結果です。例えば、富裕層では40%を超える人たちが投資・資産運用が好きあるいは趣味だと答えています。一方で富裕層予備軍の方々は30%を超える人たちが車の収集が好きと答えています。
このあたりに富裕層と予備軍の間の違いが如実に表れていると感じますね。
お金持ちは圧倒的に投資・資産運用が趣味という人が多いですが、富裕層に憧れている人は時計宝飾品の収集や高級車の収集、美術品アンティークの収集などが好き、あるいは憧れているようです。美術品などは資産としての価値があるものもありますが保管が大変でしょうし、美術館を所有しているような超富裕層でないとなかなか収集しにくいと思います。
こうした物の収集=消費が好きな方々の中から、どの程度の人が富裕層の仲間入りができるのでしょうか?
長年に渡る追跡結果がまとめられると面白いですね。
それよりも地道に投資に取り組んでいる人の方が富裕層への最短距離を歩んでいるように感じます。

上記のグラフを円グラフにするとさらに傾向の違いがよく分かります。
 日本のお金持ち研究
 日本のお金持ち研究
富裕層でも収集が好きと答えた人が半数ほどいますが、この中には美術品も宝飾品も集めているというように、重複している人がたくさんいると思います。なので、投資が趣味という人はグラフから受けるイメージ以上に多いと思います。
この本でも投資と資産形成に時間を費やすのが本当のお金持ちと書かれています。
そして野村総合研究所の「新世代富裕層の研究」によると、金融機関の手数料について日本の富裕層は数百円の違いにも敏感に反応し、合理的に金融機関を選別するそうです。
そこまで研究しているのになぜ野村証券の手数料は高いのか不思議ですね(笑)

お金持ちが好む資産運用は株式投資よりも不動産投資だそうです。
バブル崩壊で痛手を負ったことやその経験が語り継がれていること、相続対策を考えると不動産の方がメリットが大きいことなどが、その要因の様です。
確かに相続対策を考えると不動産が有利だと思いますし、バブル崩壊以降日本の株価は低迷が続いており、高い収益は見込みにくい状況が続いています。しかし資産を増やすには株式投資も有効な手段だと思うので、もっと日本の株式市場も活性化するといいですね。
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posted by アイル at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 富裕層 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする