2017年10月23日

グループリース株価再度暴落

グループリースの株価が、3月に続いてまた暴落してしまいました。
グループリース
前回3月は、タイの株式新聞のような位置付けのカオフン紙が、グループリースのSME融資について、APFの関係者に貸し付けているだけで実態が無いのではないか?と報じたことで、60バーツ前後だった株価が10バーツ台まで暴落しました。
貸付けた資金でグループリース株を買い上がっていたのではないか?など根拠のない報道が続いて、ネガティブキャンペーンの様相を呈していましたが、グループリースから融資先の情報について可能な範囲で開示がされたり、監査法人やJトラストの藤澤社長が融資先について確認しているというような説明もあり、徐々に落ち着きを取り戻して、10月初めには25バーツ程度まで株価は回復してきていました。
親会社のウェッジホールディングスの株価もGLと同じような動きをしています。
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私のポートフォリオも3月以降ずっと水面下を潜航していましたが、9月には水面が見える程度まで回復してきて、GLの株価も戻り歩調だったことから、10月には久々に水面上に浮上できるかも♪と思ったところに、今度はSME融資についての詳細な英文レポートが出て、此下益司会長がグループリース関連の役職を退任することになり、再度株価が暴落してしまいました。
日産もやらかしてくれましたし、今年はプラスに浮上するのは無理そうですね^_^;

英文のレポートはかなりの分量なのでざっとしか読めていませんが、Singapore borrowersについてはかなり詳細に調べている印象です。そしてSingapore borrowersの久我グループはGLの関連当事者と証明できると書かれています。
一方でCyprus borrowersについては、ベーカリーチェーン事業を行っていると書いてある程度で、Singapore borrowersほど詳しくは書かれていないようです。ただキプロスについても関連当事者と証明できると述べているので、もっと詳しい情報を持っているのかもしれません。
このレポートが出たのが10月11日(水)の様ですが、10月16日(月)になってタイ証券取引所(SET)からグループリース株式の売買一時停止と、会長兼CEOの此下益司氏がタイ証券取引委員会(SEC)から偽計及び不正行為の可能性を指摘され、当該案件はタイSECの申立てによりタイ法務省特別捜査局(DSI)による調査を受ける事になったと発表がありました。
当該事案は刑事告訴につながる可能性が含まれていることから、会長兼CEOの此下益司氏はグループリースの取締役の資格を喪失し退任しました。
本当に今週は怒涛の1週間で、何をしていたのかよく覚えていない間に終わってしまった感じです。会長が辞任するなど、こんなに急展開するとは思ってもいませんでした。

20日の売買も停止されて、タイSECから54百万US$分の融資とその利息収入分について、決算の修正を行うように指示されています決算の修正を行わない場合は、タイ証券取引法違反になると警告されています。
GLの2017Q2決算によれば、6月末時点のSME融資残は、シンガポール分56百万US$、キプロス分29百万US$となっています。キプロス分は8月に13百万US$が前倒し返済されているので、現状では16百万US$まで減っています。
このような状況から、SECが問題にしているのはシンガポールの貸し手(久我グループ)向けの融資の様です。
3月の開示から、久我グループはカンボジアでGLが行っている太陽光発電パネル事業に関係していると思いますが、現状の太陽光発電パネル事業はまだ小規模なので、60億円近い融資が必要になるとは思えません。久我グループ自体もそれほど大きな会社ではなさそうなので、60億円の融資をどんな事業に使っているのか?については、よく分からない部分もあり気になります。
SECがどこまで調べているのかは分かりませんが、ここまで厳しい指示が来ているという事は、グループリースの業績を良く見せるために、実態の無い融資をしたと判断している様です。
しかしながらカンボジアで始めたデジタルファイナンス事業は、周辺国も含めて順調に成長していますし、この時期にSME融資を使って業績を良く見せる必要があったのか?という疑問はずっと感じていました。
そこで2015年当時の業績推移を振り返ってみます。

SME融資が増加し始めたのは2015年3Qからです。
それに伴いSME融資からの利息収入も急増しています。
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上記グラフはGLの四半期ごとのセグメント別売上推移です。黒色の線が問題になっているSME融資です。
2015年3Qから急激に売上が伸びていることが分ります。
赤色の線はGLの本業であるタイでの新車バイク融資(HP)の売上推移を表しています。
2015年当時は政変や洪水などの影響で不良債権比率が上昇し、与信基準を厳しくしたことから売上の減少が予想されていた時期で、実際にその後タイ国内での売上は減少しています。カンボジアでのデジタルファイナンス事業は順調に拡大していましたが、タイでの売上減をカバーする程度でHP全体では横ばいで推移しています。
このグラフを見ると、本業のHP事業は今後横ばいが予想されたので、大口のSME融資で短期的に売上を伸ばしたかったのかな?という感じはしますね。SME融資に実態があれば問題は無いわけですが、タイSECは実態がない融資だと判断しているようです。
グラフのピンクの線はSME融資を地道に伸ばしていったと仮定した場合の売上推移です。私の想定数値ですが。
この売上を反映してグループリースの売上推移をグラフにすると下記の通りになります。
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SME融資の拡大で青色の線の通り、グループリース全体の売上は順調に伸びていきましたが、SME融資を上記前提で修正すると、3四半期ほど売上が横ばいで推移し、その後は成長路線に復帰する形になります。
一時的な業績横ばいを是とするかどうかですが、過去の売上推移を見ても売上が横ばいだった時期はあるわけで、力を蓄える期間があっても問題ないと思います。外部環境が悪い時は無理せずにしっかりと成長基盤を整えることに注力し、その後の成長につなげていけば良いと思います
個人的にはピンク色の線の様な売上推移でも良いと思うんですが、青色の線の様に売上が伸びていかないと満足できないのでしょうか?
投資家からのプレッシャーが大きかったんでしょうか。

国別の売上推移は下記の通りです。
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旧シンガポールの緑色の線がSME融資やコンサルティング売上などを表しています。
決算説明会などではSME融資はカンボジアの新車バイクディーラー向けに行っているという説明だったので、実質的にはカンボジア売上なので旧シンガポールとしています。
合計するとカンボジアでの売上がタイの売上に肉薄しており、カンボジアが連結業績に大きく貢献してきたと考えていましたが、タイの売上回復とSME融資の失速でタイの売上優位が続きそうですね^_^;

10月23日(月)はタイ市場は休みですが、何らかのリリースがあるのでしょうか?
グループリースの取締役会議長は此下竜矢氏が就任し、CEOは当面空席として適任者を探すという事になりました。社外の人財登用も含めて検討していくのでしょうか。
今回の件にも真摯に対応して、これをきっかけにコンプライアンスを更に強化して、事業の成長に専念できるような体制を構築してほしいと思います。
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posted by アイル at 00:18| Comment(2) | 銘柄分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする