2018年09月16日

家賃保証事業会社分析1

家賃債務保証事業を行っている会社は4社上場していますが、簡単に比較分析してみます。
4社を上場時期順に並べてみると
あんしん保証(7183) 2015年11月マザーズ上場
ジェイリース(7187) 2016年6月マザーズ上場 2018年3月東証1部指定替え
イントラスト(7191) 2016年12月マザーズ上場 2017年12月東証1部指定替え
Casa(7196) 2017年10月東証2部上場

家賃保証事業は競争が激しく、すでに成熟産業になっているという意見もありますが、上場各社の売上推移を見てみると順調に拡大しています。
売上Enのイントラスト(似た名前の会社イントランスも上場していて紛らわしいですね)は売上が横ばいのように見えますが、自社での家賃保証事業から、家賃保証事業のアウトソーシングサービス(ソリューションサービスと呼称)に比重を移している影響であり、実際は契約件数を伸ばしています。ソリューションサービスは親会社のプレステージインターナショナルらしいビジネスモデルだな〜と感じます。
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以前と比べると市場の伸びは低下しているでしょうが、家賃保証事業も全体としてはまだ伸びていると思いますし、上位の企業に徐々に集約されているのだろうと思います。
4社とも売上は安定的に伸びていますが、このグラフだけを見るとジェイリースの売上の伸びが目を引きますね。
Casaの2017年売上が減速しているのは、滞納比率で管理会社の選別を進めて、新規契約の数より質を重視した結果です。売上は按分計上なので今期もその影響が残っていますが、徐々に影響は薄れてきます。
2018年はまだ進行期なので、上記グラフは会社計画値になります。
上場4社の中ではCasaが一番売上規模が大きいですが、非上場の大手企業が3社あります。
日本セーフティー 2017年度売上 128億円
全保連 2017年度売上高 120億円程度
日本賃貸保証(JID) 2014年売上が76億円弱でその後の情報無し

これらの非上場3社は、家賃保証契約時に全額を売上計上しているそうで、上場4社とは単純に比較はできません。
Casaは12ヵ月に按分して売上計上していますし、ジェイリースは契約金の50%を契約時に売上計上し、残り50%は12ヵ月に按分して売上計上するなど、上場各社でも売上計上方法は異なっています。
業界トップと思われる日本セーフティーは詳細の財務諸表もホームページで公開していますが、全保連は業績推移グラフのみ、日本賃貸保証は業績の記載なし!と対応が分かれています。信用力が重要な保証事業を展開しているわけですから、非上場とはいえ財務情報は開示してほしいですね。
日本セーフティーの過去5年間の業績を売上推移グラフに追加してみました。
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売上計上方法が異なっていても保証期間1年が多いと思われ、年度推移でみれば影響はほとんどないと思います。
日本セーフティーが他社を寄せ付けない成長を続けていますね。民法改正で今後連帯保証人の要件が厳しくなりますが、その影響で各社の売上の伸びがどう変化していくのか?注目していきたいと思います。

次に経常利益の推移を見てみます。
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Casaは2011年から安定的に利益を計上し続けていることが分かります。2015年に顧客対応方針を変更し、一時的に貸倒れが増加したことで利益水準が低下しましたが、それでも10億円以上の利益を上げ続けています。
一方でイントラストやジェイリースは2014年までほとんど利益を上げていません。Casaとは逆に2015年以降一気に利益を伸ばしています。ここ数年の利益成長を見るとイントラストやジェイリースが高く評価されるのも分かりますが、今後もこの成長を続けられるのか?が重要だと思います。
あんしん保証は一足早く2013年から利益体質になりましたが、その後は利益横ばいという感じです。
経常利益推移を見ると、
成長を反映して株価の伸びが期待できそうなイントラスト、ジェイリース
安定しているあんしん保証、Casaという感じです。

経常利益率で見てみるとさらに傾向がはっきりしてきます。
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経常利益率は非上場の日本セーフティーも入れてみました。安定して25%以上の経常利益率を継続していて素晴らしいですね。
Casaも2015年までは25%前後の経常利益率でしたが、顧客対応方法の変更により利益率が10ポイントほど低下しています。
利益率改善で目を惹くのはイントラストですが、2015年以降一気に他社を抜き去り、現状では業界トップクラスの利益率となっています。これは、自社で家賃保証ビジネスを行う形態から、家賃保証ビジネスを手掛けたい管理会社にアウトソーシングサービスを提供する形にビジネスモデルを変更した影響です。売上は小さくなりますが利益率は高いので、上記のような劇的な推移になります。
利益率で見るとジェイリースは低位横ばいという感じで、売上が伸びてもコストも同様に伸びていて、利益率はなかなか上がってきません。
元々ジェイリースは九州地盤の家賃保証会社で、地域密着営業で地元の中小管理会社に浸透を図ってきました。2010年に東京支社を開設し全国展開を始めましたが、全国展開に伴う人員や事務所経費の増加、後発の参入なので管理会社攻略のために魅力的な手数料水準を提案しているのか、売上は急速に伸びても利益率は上がってきません。
あんしん保証は15%程度の利益率を安定的に計上してきましたが、2017年以降はジェイリース並みに低下しています。あんしん保証はアイフルの傘下企業で、同じくアイフル傘下のライフカードと提携して家賃保証ビジネスを展開しています。自社で保証を提供するというより、不動産管理会社の開拓や保証審査が業務の中心で、実際の保証はライフカードが担っている商品(ライフあんしんプラス)が中心という感じです。そのため少人数で運営可能で、安定した利益率を計上してきました。2014年からは自社で保証するあんしんプラスの販売を開始しました。
同じ家賃保証ビジネスをしていても、ビジネスモデルや戦略はかなり異なるので面白いですね。

現状の売上・利益推移を見ると、日本セーフティーが一番魅力的です(笑)
成長株志向の投資家にはイントラスト、利益率が平均に回帰するなら逆張り派好みのCasa、あんしん保証という感じです。
ジェイリースは今後も売上拡大が続くかどうか次第で判断が分かれそうです。利益面のバッファが小さいので、売上の伸びが鈍化したり、不良債権比率が上がると厳しいかなという感じがします。まあ現状売上は順調に伸びているので問題ないんでしょうが😃
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ラベル:Casa 家賃保証
posted by アイル at 14:02| Comment(0) | 銘柄分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする